icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻1号

1985年02月発行

文献概要

特集 Transmembrane Control

エンドサイトーシス—EGFレセプター系を中心として

著者: 清水信義1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部分子生物学教室

ページ範囲:P.16 - P.26

文献購入ページに移動
 動物細胞は多くの外来性分子を細胞内に取り込む。この機構には大別してpinocytosisとendocytosisが知られている1)(図1)。pinocytosisは細胞膜のくぼみ(cav-colae)を介して行われるmicropinocytosisと,細胞表面のひだ状構造(ruffle)が外液を包み込む形で行われるmacropinocytosisに区別され,それぞれはイオンなどの低分子をmicropinosome(直径〜800A)に,Con Aや免疫グロブリンなどの高分子をmacropinosome(直径0.5〜3μm)に取り込み,ついでリソソームに運び込む機構である。エンドサイトーシスはそれぞれのリガンドに特異的な膜レセプターを介する取り込みの機構で,低密度リポタンパク質(LDL)やアシアロ糖タンパク質(AS-GP),ポリペプチドホルモン,毒素タンパク質などで研究が進んでいる。本稿では特に,EGF(上皮増殖因子)のエンドサイトーシスに関する最近の知見を他のリガンドレセプター系と対比しながら解説する。EGFの細胞増殖促進作用の分子機構に関しては他の総説2-6)を参照されたいが,その作用との関連からエンドサイトーシスの生物学的意義を考察する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら