文献詳細
特集 Transmembrane Control
文献概要
静止期(G0期)にある細胞の増殖が,外来の刺激に応じて誘起される現象を解析する系として,リンパ球は理想的な系である。理想的というのは,生体内で起こる反応をほぼ完全に試験管内で再現できるという意味である。しかし,このことが本当に理解されるようになったのは比較的最近のことである。
マウスの脾細胞をコンカナバリンA(Con A)やフィトヘマグルチニンなどのレクチンで刺激すると,顕著なT細胞の増殖が起こることはよく知られている。レクチンによるリンパ球増殖の誘導は,個々の抗原が対応するレセプターを持つリンパ球だけをそれぞれ特異的に活性化する反応を総まとめにしたものに相当すると考えられている。この現象は,外来の刺激すなわちレクチンがリンパ球に結合することが引き金となって細胞の増殖が起こることから,細胞の表面の膜系とDNA合成とが密接に連結していること,すなわち細胞膜から核に至るシグナル伝達の機構が問題の核心であることを示唆した。
マウスの脾細胞をコンカナバリンA(Con A)やフィトヘマグルチニンなどのレクチンで刺激すると,顕著なT細胞の増殖が起こることはよく知られている。レクチンによるリンパ球増殖の誘導は,個々の抗原が対応するレセプターを持つリンパ球だけをそれぞれ特異的に活性化する反応を総まとめにしたものに相当すると考えられている。この現象は,外来の刺激すなわちレクチンがリンパ球に結合することが引き金となって細胞の増殖が起こることから,細胞の表面の膜系とDNA合成とが密接に連結していること,すなわち細胞膜から核に至るシグナル伝達の機構が問題の核心であることを示唆した。
掲載誌情報