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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻1号

1985年02月発行

文献概要

特集 Transmembrane Control

フィブロネクチンと細胞伸展—私的研究ノオト

著者: 林正男1

所属機関: 1筑波大学生物科学系

ページ範囲:P.33 - P.37

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 フィブロネクチンは細胞の接着,形態,分化,移動,食作用,走化性,増殖,社会性など細胞の持つ多様な生理機能を細胞外から調節している血液中,基底膜,および細胞表面に存在する糖タンパク質である。その作用の仕組みはまったく憶測の域を出ない状態であるが,少なくともトランスメンブレンコントロールであり,細胞骨格の一つアクチン線維の再配向を引き起こすことが重要なステップであると信じられている。本稿では,この憶測の域から一歩踏み出し生化学的からくりを把握しようとして生きてきた私のここ数年の未完のドラマを語る。なお最後まで読んでがっかりする読者がいるといけないので結論を最初に述べると,フィブロネクチンによるトランスメンブレンコントロールはまだまったく解明されていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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