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実験講座
文献概要
最近の埋め込みワイヤ(ワイヤ)電極は,無麻酔行動下動物の脳内からS/N(信号と雑音)比の大きい単一ニューロン活動(細胞外活動電位)の,非常に安定な数時間〜数週間にわたる長時間記録を可能にした点で大きな注目を集めている。それはこの方法により,摂食,飲水,生殖などを含む種々の適応行動,日周リズムなどのリズム形成,学習や記憶の成立過程およびそれに基づく感覚認知,眼球運動や歩行などの運動制御の脳内機構を単一ニューロンレベルで調べるのに応用できるからであろう。
単一ニューロン活動の安定な長時間記録には,長時間使用可能で,しかもアーチファクトを発生しない電極および記録法を用いる必要がある。そのために,これまでにもフレキシブルな絶縁マイクロワイヤを慢性的に埋め込む方法が用いられていた1-6)。しかし,動物の大きくて激しい動きや硬い餌(ペレット)の咀嚼など機械的な衝撃によるアーチファクトや筋電図などの単一ニューロン活動記録への混入が非常に大きな問題であった。したがって多くの研究者たちはこれらのアーチファクトを確実に除去する方法の開発を切望していた。
単一ニューロン活動の安定な長時間記録には,長時間使用可能で,しかもアーチファクトを発生しない電極および記録法を用いる必要がある。そのために,これまでにもフレキシブルな絶縁マイクロワイヤを慢性的に埋め込む方法が用いられていた1-6)。しかし,動物の大きくて激しい動きや硬い餌(ペレット)の咀嚼など機械的な衝撃によるアーチファクトや筋電図などの単一ニューロン活動記録への混入が非常に大きな問題であった。したがって多くの研究者たちはこれらのアーチファクトを確実に除去する方法の開発を切望していた。
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