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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻2号

1985年04月発行

文献概要

特集 肝細胞と胆汁酸分泌

胆汁酸の物理化学—そのミセルと液晶

著者: 五十君裕玄1 浅川昌平1

所属機関: 1福岡大学医学部第1外科

ページ範囲:P.91 - P.96

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 胆汁酸は生体内界面活性剤として一般に理解されている。界面活性剤の特性はその両親媒性構造にあり,同一分子内に強い親水基と強い疎水基が共存していることである。たとえば代表的なイオン性界面活性剤であるドデシル硫酸エステルナトリウム塩(Sodium Dodecyl Sulfate;SDS)は図1に示すような構造である。すなわち-C15H25の長い鎖状の疎水基と,陰イオン-OSO3-の強い親水基をあわせ持ち,対イオンとしてNaを持っている。イオン性界面活性剤の水溶液の物理化学的性質は,界面活性剤のある濃度において大きく変化することであり,この濃度以上ではイオン性界面活性剤は会合してミセルを形成する。この濃度のことを界面活性剤の臨界ミセル濃度(critical micelle concentration;CMC)と呼び,図2に示すごとく種々の方法で測定することができる。
 図1に示す代表的な胆汁酸のコール酸(3α,7α,12α-5βcholanoic acid;CA)は疎水基がステロイド核でありSDSの鎖状炭化水素と比較して,異なった型のミセルを形成することが容易に想像できる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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