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特集 血管内皮細胞と微小循環
物質透過性と血管内皮細胞
著者: 神谷瞭1
所属機関: 1北海道大学応用電気研究所メディカルトランスデューサ部門
ページ範囲:P.180 - P.184
文献購入ページに移動 血管内腔表面を一層の細胞層で覆う内皮層は,血液と血管組織あるいは毛細血管では血液と外部組織の間のバリヤーとして物質交換に深く関与している。すなわち脂溶性物質である酸素や炭酸ガスは,脂質蛋白よりなる内皮細胞の全表面にわたって拡散するが,水および水溶性物質は特殊な経路をへて交換される。いずれにせよ,血管内皮細胞の物質透過性は,生命維持のために重要な生理学的意義を持つことは言うまでもない。さらに最近では管壁からの血清リポ蛋白の透過の異常が動脈硬化症の誘因となるとして臨床的にも深く関心が持たれている。
しかし,血管内皮層の物質透過膜としての重要性にもかかわらず,その特性についてはまだ十分解明されていないことも多い。とくに蛋白のような大きな分子の透過現象に関してはその内部機序について,説明に大きな対立点も残されていて,解決されていない。したがって,これを明快に解説することは非才な筆者にとって容易でないが,できるだけ理解しやすくするために,最初に簡単な理論を述べ,個々の現象はそれに基づいて説明することにする。
しかし,血管内皮層の物質透過膜としての重要性にもかかわらず,その特性についてはまだ十分解明されていないことも多い。とくに蛋白のような大きな分子の透過現象に関してはその内部機序について,説明に大きな対立点も残されていて,解決されていない。したがって,これを明快に解説することは非才な筆者にとって容易でないが,できるだけ理解しやすくするために,最初に簡単な理論を述べ,個々の現象はそれに基づいて説明することにする。
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