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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻3号

1985年06月発行

文献概要

特集 血管内皮細胞と微小循環

血管内皮細胞と血液との相互作用—とくに血小板と多核白血球を中心に

著者: 住吉昭信1

所属機関: 1宮崎医科大学第一病理学教室

ページ範囲:P.202 - P.206

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 心・血管など循環器系の内面は一層の扁平な内皮細胞の膜によって覆われている。血管の内面を覆う細胞を血管内皮細胞と呼んでいる。血管内皮細胞(以下内皮細胞)は,中を流れる血液と血管壁・組織間質液との間に介在している。この内皮細胞層の機能は,血管の場所によってかなりの差があるが,基本的な機能はすべての血管において同じである。①内皮細胞は,栄養物など血液中の成分の血管壁や組織への流れを中介し,不必要に多量の成分が血管外に出ていくこと(あるいは逆の透過も少しはあるものと考えられているが)を制御する選択的透過性を有している。②内皮細胞は血液循環の究極の目的である物質交換を末梢組織でスムーズに行うのに必要な循環血液量を維持する必要がある。そのために非血栓性表面(血小板や他の血球,血液成分が粘着,凝固するのを防止する)を提供すると同時に,内皮細胞自身は基底膜に付着して,一層(重層化しない)に増生し,血管内腔をopenに保つ性質を有している。③内皮細胞はまた,血管の緊張を一定に保つことにも関与していると考えられている1-5)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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