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特集 血管内皮細胞と微小循環
血管内皮細胞と血管増殖
著者: 鈴木磨郎1 堀勝義1
所属機関: 1東北大学抗酸菌病研究所肺癌部門
ページ範囲:P.207 - P.210
文献購入ページに移動 血管形成は,既存の微小循環系からの新生によるものと,胎生期の血管発生によるものとに区別されるが,本稿では主として前者についてのみ述べる。
通常,胎児期や出生後における血管形成は臓器の発達とともに進行するが,本質的には血管新生によるものである。そして,新生血管は次第に成熟する。このような血管新生は生理的なものといえる。一方,病態としての血管新生は腫瘍をはじめ,慢性炎症,創傷の治癒,あるいは免疫反応などでみられ,これらの分野でのangiogenesisの研究についての報告は枚挙にいとまがない。また,血栓ではrecanalizationや血栓表面を素早く覆ってしまう内皮細胞増殖を容易に見ることができる。ここでは病理的条件下での血管増生と生理的なそれとは同一機構によるものか否かに言及することは避け,主として,これまで,新生血管の理解を提供してくれた病態時のangiogenesis,とくに腫瘍血管形成に力点をおいて述べる。
通常,胎児期や出生後における血管形成は臓器の発達とともに進行するが,本質的には血管新生によるものである。そして,新生血管は次第に成熟する。このような血管新生は生理的なものといえる。一方,病態としての血管新生は腫瘍をはじめ,慢性炎症,創傷の治癒,あるいは免疫反応などでみられ,これらの分野でのangiogenesisの研究についての報告は枚挙にいとまがない。また,血栓ではrecanalizationや血栓表面を素早く覆ってしまう内皮細胞増殖を容易に見ることができる。ここでは病理的条件下での血管増生と生理的なそれとは同一機構によるものか否かに言及することは避け,主として,これまで,新生血管の理解を提供してくれた病態時のangiogenesis,とくに腫瘍血管形成に力点をおいて述べる。
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