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特集 血管内皮細胞と微小循環
侵襲時生体反応としての微小循環障害—DIC(播種性血管内凝固症候群)の今日的理解
著者: 土屋雅春1 末松誠1 三浦総一郎1 永田博司1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部内科
ページ範囲:P.211 - P.216
文献購入ページに移動J. Reilly1)が1934年に「侵襲に対する自律神経過剰興奮による生体の非特異的反応症候群」の中で腹腔神経節に加えられた過剰刺激irritationにより,一見,腹腔神経節とは関係ないような遠隔の臓器にまで出血性病変が起こることを記載して以来,自律神経系の過剰刺激によって諸臓器に病変が生じる現象は,Syndrome d'irritation neurovégétative(自律神経過剰刺激症候群)として知られるようになったが,この事実は,侵襲に対して生体反応として作動する自律神経系が,あるときにはかえって疾病の形成に重要な役割を果たしていることを明らかにした点できわめて意義深い。
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