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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻3号

1985年06月発行

文献概要

連載講座 形態形成の分子生物学

形態形成の調節遺伝子

著者: 岡田益吉1

所属機関: 1筑波大学生物科学系

ページ範囲:P.218 - P.226

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 カエルの子は必ずカエルであり,ヒトでも親子はよく似ている。これは遺伝子が親から子に伝えられるためであることは誰でも知っている。また,いろいろな動物で形態異常を起こす突然変異が知られており,生物のかたちも遺伝子の働きによって決められているらしいことは推論できる。しかし,蛋白質の一次構造に関する情報を持ったDNAの鎖である遺伝子はどのようにしてカエルやヒトに4本の肢をはやすことができるのだろうか。
 最近ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)という昔から遺伝学の研究材料として使われて来た小さなハエで,沢山の突然変異と,遺伝子操作技術とを利用して,からだのかたちを作りあげるのに必要な遺伝子についての研究が盛んに行われるようになった。このような研究は現在までのところ,まったくショウジョウバエの独壇場である。したがって,これから述べることは形態形成の調節遺伝子と題してはいるが,ほとんどすべてショウジョウバエで研究されていることになってしまうのはやむを得ない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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