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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻4号

1985年08月発行

文献概要

特集 神経科学実験マニュアル 実験動物取り扱い法

ラット

著者: 有藤平八郎1 鳥居鎮夫2

所属機関: 1労働省産業医学総合研究所 2東邦大学医学部第1生理学教室

ページ範囲:P.274 - P.275

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 ■ 実験動物としての意義と特徴
 ラットの生物分類学的位置は脊椎動物門,哺乳綱,齧歯目,ネズミ科,クマネズミ属,ドブネズミ種である。Philipeaux(1856)が副腎除去実験にはじめてラットを用いて以来,ラットは基礎医学の実験的研究に実験動物として数多く使用されてきた。たとえば神経科学学術集会(大阪,1984)における口演総数308報告のうち,ラットを用いた研究報告がもっとも多く,108件にものぼった。神経科学の研究にラットが多用される第一の理由として,ラットは実験動物として長い歴史をもち,遺伝学的および微生物学的統御が施こされ,均質な動物が安価に供給される点をあげることができる。第二の理由として,上述の108件のラットを用いた研究が電気生理学,組織形態学,神経化学,行動学などの様々なアプローチによってなされている点から示唆されるごとく,様々な方法によるラット脳を用いた研究成果の蓄積は中枢神経系の機能の総合的理解に役に立つ。たとえば,青斑核や縫線核モノアミンニューロンに関する最近の研究の発展はこの範疇に属する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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