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特集 神経科学実験マニュアル 脳組織の実験材料
グリア
著者: 加藤泰治1 伊藤仁一1 田中亮1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部生化学第一講座
ページ範囲:P.311 - P.313
文献購入ページに移動グリアには中枢神経系に分布するアストロサイト(星状神経膠細胞),オリゴデンドロサイト(稀突起神経膠細胞),ミクログリアと,末梢神経系に分布するシュワン細胞,mantle細胞(外套細胞)がある。グリアの生理的機能については,(1)ニューロンの支枝作用,(2)脳欠損組織の補填作用,(3)脳血液関門を通してのニューロンへの栄養補給,(4)ミエリン鞘形成などが古くから知られているが,最近では,培養したニューロン,グリアの実験系から,グリアが神経伝達物質の代謝やニューロンの増殖・分化の制御に関与していることがわかってきた。このように培養した各種のグリア細胞を用いることにより,個々のグリア機能の研究が可能となり,さらにニューロンとのcoculture系などを用いることにより,生理的に近い環境下での神経科学的実験が可能となってきた。
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