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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻4号

1985年08月発行

文献概要

特集 神経科学実験マニュアル 脳組織の実験材料

脳切片—生化学分析

著者: 金澤一郎1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系神経内科

ページ範囲:P.320 - P.321

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 ■ 概要
 脳の生化学的分析を行う場合,脳内の部位別な機能分化を考慮に入れて,固定液による固定を行わない新鮮な脳から切片を作成し,その切片から必要とする部位を切り出すのが通常である。したがって,その適応範囲はきわめて広いが,実験の目的によって切片の作成の手順が異なる。すなわち,脳を凍結してよいかあるいは凍結がゆるされないかという点である。たとえば,神経終末からのアミノ酸やカテコールアミンの放出,あるいは神経終末へのこれらの物質の取り込みなどダイナミックな生化学的側面を研究する際には,終末ボタンの膜が凍結により破壊されるから,凍結操作はゆるされない。また多くの酵素は凍結・融解の繰り返しにより多かれ少なかれ活性低下をきたすものであり,正確さが要求される場合には凍結操作は望ましくない。それ以外の場合には脳を凍結した上でクリオスタットなどにより切片にすることができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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