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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻4号

1985年08月発行

特集 神経科学実験マニュアル

脳組織の実験材料

脳の灌流実験

著者: 渡辺英寿1

所属機関: 1東京大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.322 - P.324

文献概要

 ■ 概要
 脳切片標本は細胞外液の組成を自由に変えることができ,また細胞活動によって遊離される物質の測定が容易で,直視下に細胞内記録を長時間安定に行えるなどの特徴から,神経薬理学的および神経生理学的な研究に多用されている。しかし切片中に保存される神経回路が限られており,多数のシナプスによって構成されているような神経回路を研究するには不適切な場合がある。そのため小動物の脊髄や脳幹などでは摘出したまま外部のメディウムからの拡散のみによって神経活動を維持する標本が使用されている。しかし脳全体となると外表からの拡散のみでは不十分なため動脈を通してメディウムを灌流する必要が生ずる。このような目的で考えられたのがこの項で扱う全脳灌流モデルであり,灌流開始後7〜8時間は神経活動を保つことができることが確認されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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