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特集 神経科学実験マニュアル 脳組織の実験材料
単一神経細胞の生化学的分析
著者: 加藤尚彦1
所属機関: 1東京大学医学部付属脳研究施設生化学
ページ範囲:P.330 - P.332
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神経組織はニューロンの他に,グリア(アストロ,オリゴ,ミクロの3種)細胞や毛細血管内皮細胞を含み,組織塊を生化学的に分析しても,ニューロンの純粋な性質を知ることができない。従来のニューロンをマスとして分別分離する方法(bulk isolation法)を用いても,分離標品中にはグリア細胞体やその破片が必ず混入する。また近年盛んにニューロンの一次培養や株化した神経芽腫細胞が用いられるが,培養細胞の量は種々の生化学的分析には不十分なことが多い。また培養操作は,in situのニューロンの特性以外の表現形質を誘発する可能性があり,培養細胞の分析結果をそのままin vivoのニューロンに適用することは危険である。そこで直接単一ニューロンを顕微鏡下で分離採取し,種々の超微量測定法を用いて分析することが試みられてきた。
神経組織はニューロンの他に,グリア(アストロ,オリゴ,ミクロの3種)細胞や毛細血管内皮細胞を含み,組織塊を生化学的に分析しても,ニューロンの純粋な性質を知ることができない。従来のニューロンをマスとして分別分離する方法(bulk isolation法)を用いても,分離標品中にはグリア細胞体やその破片が必ず混入する。また近年盛んにニューロンの一次培養や株化した神経芽腫細胞が用いられるが,培養細胞の量は種々の生化学的分析には不十分なことが多い。また培養操作は,in situのニューロンの特性以外の表現形質を誘発する可能性があり,培養細胞の分析結果をそのままin vivoのニューロンに適用することは危険である。そこで直接単一ニューロンを顕微鏡下で分離採取し,種々の超微量測定法を用いて分析することが試みられてきた。
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