icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻4号

1985年08月発行

文献概要

特集 神経科学実験マニュアル 脳組織の実験材料

細胞分画—シナプトソームとシナプス小胞

著者: 田代朋子1

所属機関: 1東京大学医学部付属脳研究施設生化学

ページ範囲:P.333 - P.335

文献購入ページに移動
 ■ 概要
 脳組織を軽くホモジナイズすると,神経終末膨大部が軸索部からちぎれ,閉じた膜顆粒「シナプトソーム」を生ずる。シナプトソームは人工産物ながら,神経伝達物質を含有するシナプス小胞やミトコンドリアなどの内部構造を保っており,in vitroの神経終末部として多くの生化学的研究に用いられてきた。しかしながら,哺乳類脳から得られるシナプトソーム標品の純度は50〜70%で,しかも伝達物質の面からは異種のシナプトソームの混合物である。このような限界を知ったうえで,個有の機能を識別できるような実験法を選ぶ必要がある。
 また,目的によっては,脳以外のより均質な材料(たとえば,シビレエイ電気器官,イカ頭部神経節など)から得られる高純度,均質なシナプトソーム標品を用いることができる。ここでは,哺乳動物脳を材料とした一般的なシナプトソームを中心に,シビレエイ電気器官コリン作動性シナプトソームについても簡単に説明する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら