文献詳細
文献概要
特集 神経科学実験マニュアル 脳組織の実験材料
細胞分画—ニューロフィラメント
著者: 森啓1
所属機関: 1福井県立短期大学第一看護学科生理学教室
ページ範囲:P.339 - P.341
文献購入ページに移動 ■ 概要
ニューロフィラメントはニューロンの中にあって,微小管に匹敵する量をしめるタンパクであると同時に電顕的構造物としての形態をもつ。その直径が10nmの線維状であるところから10nmフィラメントあるいは中間径線維とも呼ばれている1)。
HoffmanとLasekがニューロンの軸索流内容物の分析で発見したトリプレット(分子量200K,160K,68Kの3本のポリペプチド)2)はニューロンにのみ特異的に存在して,グリア細胞には含まれない3)。また末梢神経組織から中間径線維を単離したところ,その構成タンパクは上記のトリプレットであった4)ことから,ニューロンに観察される中間径線維(ニューロフィラメント)はトリプレットから構成されていることがわかる。ニューロフィラメントとグリアフィラメントの形態学的な区別は至難であるが,分子組成からはまったく別個のタンパクであることが確立している。
ニューロフィラメントはニューロンの中にあって,微小管に匹敵する量をしめるタンパクであると同時に電顕的構造物としての形態をもつ。その直径が10nmの線維状であるところから10nmフィラメントあるいは中間径線維とも呼ばれている1)。
HoffmanとLasekがニューロンの軸索流内容物の分析で発見したトリプレット(分子量200K,160K,68Kの3本のポリペプチド)2)はニューロンにのみ特異的に存在して,グリア細胞には含まれない3)。また末梢神経組織から中間径線維を単離したところ,その構成タンパクは上記のトリプレットであった4)ことから,ニューロンに観察される中間径線維(ニューロフィラメント)はトリプレットから構成されていることがわかる。ニューロフィラメントとグリアフィラメントの形態学的な区別は至難であるが,分子組成からはまったく別個のタンパクであることが確立している。
掲載誌情報