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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻4号

1985年08月発行

文献概要

特集 神経科学実験マニュアル 脳組織の実験材料

細胞分画—糖蛋白

著者: 植村慶一1 北村邦男1

所属機関: 1埼玉医科大学第一生理学教室

ページ範囲:P.352 - P.354

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 ■ 概要
 糖蛋白は複合糖質(Glycoconjugate)の一種として,神経系の膜の興奮性,シナプス伝達,ミエリン形成などに重要な役割を担っている。最近ではアセチルコリン受容蛋白,ナトリウムチャネル蛋白,Na-K ATP ase,N-CAM(neuronal cell adhesion molecule),シナプス膜糖蛋白,ミエリン膜糖蛋白など,糖鎖を含む蛋白の分析が進み,糖鎖がその機能に深く関与することが明らかにされつつある1)。蛋白のアミノ酸配列に関しては遺伝子クローニング法によって,従来のEdman分解法では分析が困難であった不溶性の巨大分子の構造の解明が可能になったが,遺伝子翻訳後の蛋白修飾の一種である糖鎖構造の決定には複雑な手段が必要で,その実体に関する報告はまだ少ない。神経系の糖蛋白の糖鎖構造と機能についての研究はまだ始まったばかりで,今後の大きな発展が期待される分野である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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