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特集 神経科学実験マニュアル 脳組織の実験材料
細胞分画—糖蛋白
著者: 植村慶一1 北村邦男1
所属機関: 1埼玉医科大学第一生理学教室
ページ範囲:P.352 - P.354
文献購入ページに移動 ■ 概要
糖蛋白は複合糖質(Glycoconjugate)の一種として,神経系の膜の興奮性,シナプス伝達,ミエリン形成などに重要な役割を担っている。最近ではアセチルコリン受容蛋白,ナトリウムチャネル蛋白,Na-K ATP ase,N-CAM(neuronal cell adhesion molecule),シナプス膜糖蛋白,ミエリン膜糖蛋白など,糖鎖を含む蛋白の分析が進み,糖鎖がその機能に深く関与することが明らかにされつつある1)。蛋白のアミノ酸配列に関しては遺伝子クローニング法によって,従来のEdman分解法では分析が困難であった不溶性の巨大分子の構造の解明が可能になったが,遺伝子翻訳後の蛋白修飾の一種である糖鎖構造の決定には複雑な手段が必要で,その実体に関する報告はまだ少ない。神経系の糖蛋白の糖鎖構造と機能についての研究はまだ始まったばかりで,今後の大きな発展が期待される分野である。
糖蛋白は複合糖質(Glycoconjugate)の一種として,神経系の膜の興奮性,シナプス伝達,ミエリン形成などに重要な役割を担っている。最近ではアセチルコリン受容蛋白,ナトリウムチャネル蛋白,Na-K ATP ase,N-CAM(neuronal cell adhesion molecule),シナプス膜糖蛋白,ミエリン膜糖蛋白など,糖鎖を含む蛋白の分析が進み,糖鎖がその機能に深く関与することが明らかにされつつある1)。蛋白のアミノ酸配列に関しては遺伝子クローニング法によって,従来のEdman分解法では分析が困難であった不溶性の巨大分子の構造の解明が可能になったが,遺伝子翻訳後の蛋白修飾の一種である糖鎖構造の決定には複雑な手段が必要で,その実体に関する報告はまだ少ない。神経系の糖蛋白の糖鎖構造と機能についての研究はまだ始まったばかりで,今後の大きな発展が期待される分野である。
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