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特集 神経科学実験マニュアル ニューロンの染色・標識法
2-デオキシグルコース法
著者: 加藤元博1
所属機関: 1九州大学医学部脳神経病研究施設神経生理
ページ範囲:P.366 - P.368
文献購入ページに移動 ■ 概要
ニューロン活動,したがって脳活動はエネルギー消費を伴うので,脳のエネルギー代謝を計測することによっても,脳活動を観察することができる。2-deoxyglucose(2-DG)法1)はオートラジオグラフィーによって局所脳グルコース利用率(local cerebral glucose utilization,LCGU)を観察するもので,動物の脳活動を実験的に検索するのに適している。
本法にトレーサーとして用いる2-deoxy-D-giucoseには3Hまたは14Cをラベルした2種類があり,前者はミクロオートラジオグラフィー,後者はマクロオートラジオグラフィーに適している。ミクロオートラジオグラフィーによるLCGU検索は,定量的分析が困難で応用に限界がある。一方,〔14C〕2-DGによるマクロオートラジオグラフィーは,ニューロンレベルの観察はできないが,肉眼的にかなり細かく脳局所のLCGUを画像的に観察でき,また定量も可能であるので,脳活動の観察に現在広く用いられている。したがって本稿では〔14C〕DG法によるマクロオートラジオグラフィーについてのみ述べる。
ニューロン活動,したがって脳活動はエネルギー消費を伴うので,脳のエネルギー代謝を計測することによっても,脳活動を観察することができる。2-deoxyglucose(2-DG)法1)はオートラジオグラフィーによって局所脳グルコース利用率(local cerebral glucose utilization,LCGU)を観察するもので,動物の脳活動を実験的に検索するのに適している。
本法にトレーサーとして用いる2-deoxy-D-giucoseには3Hまたは14Cをラベルした2種類があり,前者はミクロオートラジオグラフィー,後者はマクロオートラジオグラフィーに適している。ミクロオートラジオグラフィーによるLCGU検索は,定量的分析が困難で応用に限界がある。一方,〔14C〕2-DGによるマクロオートラジオグラフィーは,ニューロンレベルの観察はできないが,肉眼的にかなり細かく脳局所のLCGUを画像的に観察でき,また定量も可能であるので,脳活動の観察に現在広く用いられている。したがって本稿では〔14C〕DG法によるマクロオートラジオグラフィーについてのみ述べる。
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