文献詳細
文献概要
特集 神経科学実験マニュアル ニューロンの染色・標識法
コバルト注入
著者: 松本修文1
所属機関: 1大阪大学基礎工学部生物工学科
ページ範囲:P.369 - P.370
文献購入ページに移動 ■ 概要
Pitmanら1)によって開発された塩化コパルトCoCl2による細胞標識法は,細胞内注入を行うには電極抵抗が非常に高いため,最近ではほとんど用いられていない。電極抵抗の高さにおいては,現在主として用いられているHRPやLucifer Yellowも同様の欠点を持っている。ここでは,3価のコパルトとアミノ酸であるリジンの複合化合物を作ることによって,塩化コバルト法の欠点を克服した,コパルトーリジン法2-5)について解説する。
この方法の最大の長所は,細胞内注入用の電極抵抗がきわめて低く,電解質溶液のみをつめたときとの差がほとんど感じられないことである。また,軸索内輸送距離も長く,染色像は黒色で背景とのコントラストがよい。HRPやLucifer yellowで,電極抵抗の高さに困難を感じている研究者は,ぜひ一度試してみられたい。図1にこの方法の概要を示す。
Pitmanら1)によって開発された塩化コパルトCoCl2による細胞標識法は,細胞内注入を行うには電極抵抗が非常に高いため,最近ではほとんど用いられていない。電極抵抗の高さにおいては,現在主として用いられているHRPやLucifer Yellowも同様の欠点を持っている。ここでは,3価のコパルトとアミノ酸であるリジンの複合化合物を作ることによって,塩化コバルト法の欠点を克服した,コパルトーリジン法2-5)について解説する。
この方法の最大の長所は,細胞内注入用の電極抵抗がきわめて低く,電解質溶液のみをつめたときとの差がほとんど感じられないことである。また,軸索内輸送距離も長く,染色像は黒色で背景とのコントラストがよい。HRPやLucifer yellowで,電極抵抗の高さに困難を感じている研究者は,ぜひ一度試してみられたい。図1にこの方法の概要を示す。
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