icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻4号

1985年08月発行

文献概要

特集 神経科学実験マニュアル ニューロンの染色・標識法

変性法

著者: 川名悦郎1

所属機関: 1浜松医科大学解剖学教室

ページ範囲:P.374 - P.375

文献購入ページに移動
 1950年にNautaが変性した神経線維を追跡する方法として変性軸索を選択的に染色する方法を発表する以前は,中性脂肪染色,変性髄鞘を染めるMarchi法,変性軸索を染めるGlees法などが用いられていた。その後,Nauta法はいろいろの動物に,そして各種の線維系に適するように,また終末部まで染めだせるようにという意図をもって種々の変法が考案された。たとえば,Nauta-Gygax法(1954)1),Nauta-Laidlaw法(1957)2),Albrecht法(1959)3),Fink-Heimer法(1967)4),Ebbesson-Rubinson法(1969)5),de-Olmos法(1969)6),Eager法(1970)7),Desclin-Escubi法(1975)8)などである。多種多様な変法のなかでどの方法を用いたらよいのかが問題となる。筆者の経験では,Nauta-Laidlaw法のアンモニア性炭酸銀液の調製は微妙であった。比較的安定して良好な結果が得られたのはNauta-Gygax法とFink-Heimer法であった。de-Olmos法を用いた経験はないが,正常線維の鍍銀性をおさえ,変性した線維を終末部まで染色するよい方法と思われる。各変法とも捨てがたい面を持っているが,ここではNauta-Gygax法,Fink-Heimer法,de-Olmos法について述べたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら