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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻4号

1985年08月発行

特集 神経科学実験マニュアル

電気生理学実験手技

金属微小電極

著者: 鈴木寿夫1 東正夫1

所属機関: 1弘前大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.392 - P.394

文献概要

 ■ 金属微小電極の必要性
 近年,覚醒行動時の動物の脳内で単一ニューロンの活動電位を記録し,その発火パターンから細胞の担う情報を調べる研究が広く行われるようになった。また一方,脳の微小部分を電気刺激し,それによって生じる反応を指標として脳内の出力系の微細な構成を知ることが試みられるようになった。そこで,このような研究をさらに発展させるため,次のような条件を満たす微小電極の開発が望まれるようになった。すなわち,(イ)intactな脳硬膜を介して脳内に穿入できる機械的強度を持つ。(ロ)長時間,安定に活動電位の細胞外記録ができる。(ハ) 記録部位の同定ができる。(ニ) その部位の皮質内微小電気刺激ができる。しかし,今まで開発された金属微小電極にはそれぞれ特徴はあるが,これらの条件を満たさない部分があった。たとえば,タングステン針をガラス毛細管に封入した電極1)や,白金イリジウムをソルダガラスで絶縁したもの2)は丈夫であるが,記録部位のマーキングが困難である。一方,ステインレス・スチール製の電極3)はマーキングができるという利点はあるが,曲りやすいという欠点がある。以下,これらの欠点を改善すべく開発された,ガラス被覆エルジロイ微小電極4,5)について述べる。他の電極については文献を参照していただきたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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