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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻4号

1985年08月発行

文献概要

特集 神経科学実験マニュアル 電気生理学実験手技

ガラス電極

著者: 田崎京二1

所属機関: 1東北大学医学部第二生理学教室

ページ範囲:P.395 - P.397

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 ガラスは電気抵抗も高く,熱による成形も容易で,金属表面になじませることもできるので,ガラス管を材料とした各種の電極が作られてきた。しかし,ここでは微小電極,とくに細胞内微小電極について述べる。
 微小電極はガラス管の一部を電熱で熔かし,一気に引きちぎって作る。市販の電極製作器(プラー)には,ガラス管を水平に保持するものと垂直方向に保持するものの二種がある。いま使われている多くのものでは,ガラスが熔融中に,弱く持続的に引っぱっておき(一段引き),一定の長さだけ延びると,自動的にソレノイド電流が流れて,強い"二段引き"がくるようになっている。"一段引き"は,垂直型プラーでは重力で,水平型では弱いソレノイド電流で実現している。二段引きプラーでは,ヒーター電流,一段引き用のソレノイド電流(垂直型では固定),二段引きの開始場所,そして二段引き電流の四つが可変量となる。これらの変数はガラス管の質,太さ,厚さなどで決められるわけであるが,ヒーターの形とか外気温,とくに冷暖房用の風などの変化も問題となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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