icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻4号

1985年08月発行

文献概要

特集 神経科学実験マニュアル 電気生理学実験手技

イオン電極

著者: 岡田泰伸1 老木成稔2

所属機関: 1京都大学医学部生理学教室 2京都大学医学部麻酔科学教室

ページ範囲:P.401 - P.403

文献購入ページに移動
 ■ 概要
 細胞の電気的活動性は主として膜のイオン透過によってもたらされ,その駆動力は当該イオンの細胞内外における電気化学的勾配である。したがって,細胞内遊離イオン濃度(より正しくは活量)の測定は重要である。その測定によって,①そのイオンに対する平衡電位を直接的に得ることができる。これにより,各種膜応答・活動電位のイオン機構を求める上で不可欠の情報が与えられる。②また,平衡電位と膜電位の比較によって当該イオンの輸送が受動的か能動的かの判定も可能となる。③もし当該イオンの細胞内含量が化学的測定などによってわかっている場合には,そのイオンの非遊離(結合またはsequestration)の程度を見積ることができる。④また,膜におけるイオン輸送のみが細胞内イオン濃度変化をもたらす場合,その測定によりイオン・フラックスを求めることができ,constant field式から膜のイオン透過性や伝導度を計算することができる。
 細胞内イオン活量の測定には,先端1μm前後のイオン選択性微小電極(以後イオン電極と呼ぶ)が用いられなければならない。現在使用されているものとしては,イオン選択性ガラスを用いたrecessed-tip型電極と,イオン選択性液体交換剤(LIX)を先端につめた電極の二種がある1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら