文献詳細
文献概要
特集 神経科学実験マニュアル 電気生理学実験手技
微小イオン泳動法
著者: 桜井正樹1
所属機関: 1東京大学医学部第一生理学教室
ページ範囲:P.416 - P.418
文献購入ページに移動 ■ 概要
薬物溶液をガラス微小管に充填し,これに通電することにより薬物を流出させる,微小イオン泳動法は,時間・空間分解能において非常に優れた薬物投与法であり,これまで神経系の薬理・生理学的研究に大きな成果をもたらしてきた。この方法を用いれば,神経細胞のごく一部(たとえば樹状突起の或る枝)に数10ミリ秒のごく限られた時間だけ,少量の薬物を適用することも可能である。さらに多連微小電極法と併用すると,同一の神経細胞において一度に数種類の薬物の作用やそれらの相互作用を調べることができる。しかしながらその反面,この技法の施行や得られたデータの解釈にあたっては,慎重を要する点も多い。紙幅に制限のある本稿では,これらの点に重点をおいて述べることにする。技法のより詳細については文献1)2)などを参照されたい。
薬物溶液をガラス微小管に充填し,これに通電することにより薬物を流出させる,微小イオン泳動法は,時間・空間分解能において非常に優れた薬物投与法であり,これまで神経系の薬理・生理学的研究に大きな成果をもたらしてきた。この方法を用いれば,神経細胞のごく一部(たとえば樹状突起の或る枝)に数10ミリ秒のごく限られた時間だけ,少量の薬物を適用することも可能である。さらに多連微小電極法と併用すると,同一の神経細胞において一度に数種類の薬物の作用やそれらの相互作用を調べることができる。しかしながらその反面,この技法の施行や得られたデータの解釈にあたっては,慎重を要する点も多い。紙幅に制限のある本稿では,これらの点に重点をおいて述べることにする。技法のより詳細については文献1)2)などを参照されたい。
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