文献詳細
特集 神経科学実験マニュアル
電気生理学実験手技
文献概要
2個の神経細胞あるいは2群の神経細胞間のシナプス結合を同定する電気生理学的手法は一方の細胞に電気刺激を加え,これによってひき起こされる他方の細胞の反応を調べることであった。この電気刺激の手法はLoyd(1944)により初めて脊髄反射の神経回路の解析に用いられ,ついでEccles(1957)によって細胞内記録法と組合せて用いられ,中枢神経系の神経回路の解析のためのもっとも有力な手法として確立された。しかしながら,電気刺激法は刺激電流の滑走,artifact,通過線維の刺激などの問題点があり(後述),局所の微小神経回路の解析には用いることができない。
この難点を解決する手法として,2個の細胞の反応の相関から神経細胞間の神経結合を同定する相関解析の手法が開発された。2個の細胞活動の相互相関の求め方には,1)パルス-アナログ相関と 2)パルス-パルス相関の二つの方法がある。第一の方法はJankowskaら1)によって開発されたもので,1個の細胞からインパルス反応を細胞外で,他の1個からシナプス後電位を細胞内で記録し,前者のインパルスを基準として後者のシナプス後電位を平均加算(Triggered averaging)するものである。
この難点を解決する手法として,2個の細胞の反応の相関から神経細胞間の神経結合を同定する相関解析の手法が開発された。2個の細胞活動の相互相関の求め方には,1)パルス-アナログ相関と 2)パルス-パルス相関の二つの方法がある。第一の方法はJankowskaら1)によって開発されたもので,1個の細胞からインパルス反応を細胞外で,他の1個からシナプス後電位を細胞内で記録し,前者のインパルスを基準として後者のシナプス後電位を平均加算(Triggered averaging)するものである。
掲載誌情報