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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻5号

1985年10月発行

文献概要

特集 細胞分裂をめぐって

チュブリン遺伝子

著者: 平岡泰1 柳田充弘2

所属機関: 1 2京都大学理学部生物物理学教室

ページ範囲:P.451 - P.454

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 微小管は真核細胞に普遍的に存在し,おもにα-,β-チュブリンから構成される。微小管は従来から構造的・生化学的によく研究され,構造と機能について多くの知見が蓄積している。微小管は細胞骨格や細胞運動に関与するほか,有糸分裂期には分裂装置を構築して染色体分離運動に中心的役割を果たす。このような多岐にわたる微小管の機能について,さまざまな方向から研究が行われてきた。
 多くの生物種でチュブリン遺伝子の検索が行われ,チュブリン遺伝子は一般に複数個存在し,ゲノム中に分散して存在することが示された1)。ヒトでは15〜20ずつのα-,β-チュブリン遺伝子の存在が推測されている2)。"tubulin gene family"が一般的事実として認められてくると,微小管の多面的な細胞機能と結びついて,チュブリン遺伝子の機能と発現制御が興味ある問題となってきた。近年いくつかの系で組換えDNAを用いた解析がなされ,発生過程において複数個のチュブリン遺伝子が特異的な発現制御を受けることが示された3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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