icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻5号

1985年10月発行

文献概要

特集 細胞分裂をめぐって

細胞周期におけるセントロゾームの動態

著者: 栗山了子1

所属機関: 1

ページ範囲:P.461 - P.466

文献購入ページに移動
 生物のもっとも生物らしい特徴のひとつはその自己複製能にある。遺伝物質をS期で複製したあと細胞はM期に進み,そこで同一の二個体を複製する。その整然とした秩序ある事の進行は,単一の受精卵から完全な一個体形成に至るが,無秩序に起こると癌ができ死に至ってしまう。増殖能力に差がある細胞のあいだでは,しばしば微小管を含む細胞骨格の様態に違いがみられる。細胞内における微小管の存在様式は微小管形成中心構造体(MTOCs:microtubule-organizing centers)1)で調節されているので2),細胞増殖をコントロールするメカニズムの中にMTOCが組み込まれている可能性は十分考えられる。したがって当稿においては,従来よく知られている細胞分裂時におけるMTOCの役割だけでなく,間期をも含んだ広い視野から眺めた細胞周期調節因子としてのMTOCの可能性を論じてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら