文献詳細
文献概要
特集 細胞分裂をめぐって
細胞質分裂におけるカルシウム変動
著者: 吉本康明1 岩松鷹司2 平本幸男34
所属機関: 1基礎生物学研究所細胞増殖部門 2愛知教育大学教育学部生物学教室 3東京工業大学理学部生物学教室 4基礎生物学研究所細胞増殖部門
ページ範囲:P.499 - P.503
文献購入ページに移動BakerとWarner1)はアフリカツメガエルの卵で,第一,第二卵割の際にわずかなCa2+レベルの増加を観察しているが,一方でRinkら2)は同じ材料で目立ったCa2+変化はないと報告している。メダカ卵においてはRidgwayら3)が第一,第二卵割における微小なCa2+パルスを観察している。また,ごく最近Poenieら4)はウニ卵において,前核の移動期,核膜の消失する時期,分裂前期から後期への転換期,第一卵割時にそれぞれCa2+濃度の上昇が見られると報告している。植物ではWolniakら5)がマユハケオモトの胚乳細胞を用いて,膜系に結合したCa量が分裂後期の直前に減少することを観察し,この時期に分裂装置内のCa2+濃度が上昇すると推定した。
掲載誌情報