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特集 脂肪組織
脂肪の動員と貯留—脂肪細胞の代謝特性
著者: 奥田拓道1 辻田隆広1
所属機関: 1愛媛大学医学部生化学第二
ページ範囲:P.565 - P.571
文献購入ページに移動 脂肪細胞は,脂肪の動員と貯留をもっぱらとする細胞である。脂肪の動員が起こる際には細胞内で脂肪が脂肪酸とグリセロールに分解された後,細胞外へ放出されるので細胞内での脂肪動員とは脂肪の分解のことになる。
生体とは面白いもので,ある調節を行う場合には必ず相反する陰と陽を用意するようである。たとえば,食欲の調節には摂食中枢と満腹中枢とがあり,血糖の調節にはこれを上昇させるカテコラミンやグルカゴンに対して,血糖を下降させるインスリンが用意されている。脂肪細胞の代謝にも様々な陰陽のバランスが存在する。まず,細胞内には脂肪の分解と合成という相反する代謝が存在する。さらに,細胞の外からこれらの代謝を調節する因子として脂肪動員ホルモンやインスリンが存在する。前者は脂肪の分解を促進し,後者は脂肪の分解を抑制するとともに,その合成を促進する。このようなバランスの中に存在する脂肪細胞の代謝特性を脂肪の分解と合成の面から述べてみよう。
生体とは面白いもので,ある調節を行う場合には必ず相反する陰と陽を用意するようである。たとえば,食欲の調節には摂食中枢と満腹中枢とがあり,血糖の調節にはこれを上昇させるカテコラミンやグルカゴンに対して,血糖を下降させるインスリンが用意されている。脂肪細胞の代謝にも様々な陰陽のバランスが存在する。まず,細胞内には脂肪の分解と合成という相反する代謝が存在する。さらに,細胞の外からこれらの代謝を調節する因子として脂肪動員ホルモンやインスリンが存在する。前者は脂肪の分解を促進し,後者は脂肪の分解を抑制するとともに,その合成を促進する。このようなバランスの中に存在する脂肪細胞の代謝特性を脂肪の分解と合成の面から述べてみよう。
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