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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻1号

1986年02月発行

文献概要

実験講座

ポジトロンCTの脳研究への応用

著者: 田崎京二1

所属機関: 1東北大学医学部第二生理学教室

ページ範囲:P.69 - P.74

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 ポジトロンCTというのは人体に適用した定量的オートラジオグラフィーということができる。ふつうのオートラジオグラフィーでは,3Hや14Cなどでラベルした生活活性物質を動物に投与して体内の局所に取り込ませ,放射線の写真作用を利用して放射線源を検出している。しかし3Hとか14Cなどから出る放射線は組織透過力が弱く,十分な感光作用をえるためには,感光膜を放射線源に密着させなければならない。したがって生体を薄い切片として用いることになる。
 オートラジォグラフィーをヒトにまで適用するには,組織透過力が大きく,半減期の短い放射性同位元素(RI)が必要である。短半減期は放射線被曝を少なくするための重要な条件である。これらの条件をみたすRIには,γ線を放出するものと陽電子(ポジトロン)を出すものの2種がある。このようなRIを人体に与えてから,体外で放射線を検出し,コンピュータ処理によって,人体の一つの横断面内のRI分布を再構成すれば,その面についてオートラジオグラムがえられたことになる。この方法を放射線コンピュータ断層法(emission computed tomography,ECT)という。γ線放出型のRIを用いるものを単一光子断層法(Single photon emission computed tomography,SPECT)という。このように呼ばれるのは,γ線は1度に1個の光子として放出されるからである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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