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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻2号

1986年04月発行

文献概要

特集 血小板凝集

血小板特異蛋白

著者: 村田満1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部内科学教室

ページ範囲:P.122 - P.127

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 血小板には形態学的に異なった数種の顆粒(granules)が存在し,放出反応(release reaction)に際してその内容物が血小板外へ分泌されることが知られている。電子顕微鏡を用いた組織化学的手法により各顆粒に含まれる物質がそれぞれ明らかにされている。濃染顆粒(densebody)と呼ばれる顆粒には,セロトニン,カルシウム,ADP,ATPやピロリン酸などが含まれている1-5)。ライソゾームには,β-グルクロニダーゼ,N-アセチルグルコサミニダーゼなど諸種の水解酵素が存在する。一方,α顆粒(α-granule)と呼ばれる電子密度の低い顆粒には表1に示すごとく数多くの蛋白が貯蔵され,外来刺激に応じて血小板外へ放出される。それらの蛋白は大きく二つのカテゴリーに分類される。すなわち,(1)血漿中にも多量に存在する蛋白,(2)血小板特異蛋白と呼ばれる蛋白,である。表26)は非活性時血小板に含まれるこれらの蛋白の濃度を血漿中のそれと対比して示したものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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