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特集 血小板凝集
血小板凝集における代謝—糖およびヌクレオチド代謝を中心に
著者: 木村昭郎1 藏本淳1
所属機関: 1広島大学原爆放射能医学研究所臨床第一(内科)研究部門
ページ範囲:P.133 - P.138
文献購入ページに移動 血小板機能として一般に確認されているものには,粘着,形態変化,凝集,濃染顆粒放出,α-顆粒放出,acidhydrolase放出,血餅退縮などがある。血小板凝集はトロンビン凝集を例にとると,トロンビン刺激による膜受容体(GPⅠ,V)との結合反応とphosphatidyl inositol(PI)化謝,C-キナーゼの活性化が明らかにされつつあると同時に,GPⅡbとGPⅢaによる複合体形成と,フィブリノーゲン受容体機能の発現が連動し,フィブリノーゲン結合が完結する。これが凝集の本体と考えられる。GPⅡb-Ⅲa複合体の形成はCa2+濃度に依存性であり,アクチンフィラメントの重合やミオシンとの結合など骨格蛋白の動態と密接に関連している1)。これらの血小板反応,とくに凝集反応を支える糖,エネルギー代謝についてはすでにいくらか紹介してきたが2,3),本稿では最近の話題にも少し触れながら概説する。
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