文献詳細
謎シリーズ
文献概要
「動物」の「寿命」
今回与えられた謎(問題)は「動物の寿命は何によってきまるのか」である。この設問にある「動物」と「寿命」という二つの名詞の定義をしておかないと,問題の意味があいまいになる。
第一の「動物」である。動物学者にとって動物というと,アメーバ,ゾーリムシ,カイメン,ヒドラ,ワムシ,セミなどからヒトに至る多様な種が頭に浮ぶ。これらの中には,無性的な分裂によって増殖するものや,悪い環境条件の下では,乾燥に強い卵や芽球の形で休眠したり,代謝をほとんど止めて,永生きするものもあって,永生き競争のパターンが異なる。しかもこれらの動物の寿命についての研究は行われている。しかしそれらをすべて解説していては紙数も不足するし,話が散漫になる。また仮に話を脊椎動物に限定したとしても,太古に生存していた恐竜の寿命や,氷の中で凍結状態で永く生きていたという両生類の話まで考慮すると,謎の意味が明確でなくなる。そこで今回は便宜的に「動物」を「現生の脊椎動物」に限ることにしたい。
今回与えられた謎(問題)は「動物の寿命は何によってきまるのか」である。この設問にある「動物」と「寿命」という二つの名詞の定義をしておかないと,問題の意味があいまいになる。
第一の「動物」である。動物学者にとって動物というと,アメーバ,ゾーリムシ,カイメン,ヒドラ,ワムシ,セミなどからヒトに至る多様な種が頭に浮ぶ。これらの中には,無性的な分裂によって増殖するものや,悪い環境条件の下では,乾燥に強い卵や芽球の形で休眠したり,代謝をほとんど止めて,永生きするものもあって,永生き競争のパターンが異なる。しかもこれらの動物の寿命についての研究は行われている。しかしそれらをすべて解説していては紙数も不足するし,話が散漫になる。また仮に話を脊椎動物に限定したとしても,太古に生存していた恐竜の寿命や,氷の中で凍結状態で永く生きていたという両生類の話まで考慮すると,謎の意味が明確でなくなる。そこで今回は便宜的に「動物」を「現生の脊椎動物」に限ることにしたい。
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