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特集 脳の化学的トポグラフィー
セロトニン
著者: 佐野豊1
所属機関: 1京都府立医科大学
ページ範囲:P.172 - P.175
文献購入ページに移動 セロトニン(serotonin,5-hydroxytryptamine,5-HT)は強い血管収縮機能をもつ物質として血液から抽出,単離されたインドール基をもつアミンであって,生体内では2種類の酵素,すなわち水酸化酵素と脱炭酸酵素の働きを受けて,トリプトファンから5-ヒドロキシトリプトファンを経て生合成される。このアミンはTwarog & Page(1953)1)によって,中枢神経組織の中に広く分布していることがはじめて生化学的に証明され,またその化学構造が幻覚誘発剤,たとえばLSDに類似することから,当初精神疾患との関連において注目された。
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