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特集 脳の化学的トポグラフィー
サブスタンスP
著者: 沖充1 堂本時夫1
所属機関: 1島根医科大学解剖学教室
ページ範囲:P.192 - P.196
文献購入ページに移動 Substance P(以下SP)はウシ腸管の抽出物中に存在するアトロピン耐性の腸管収縮物質として発見されたが1),大塚ら2,3)の研究により興奮性神経伝達物質として注目されるようになった。SPの脳内分布についてはbioassay法によりある程度知られていたが4),脳の各部位のSP濃度の測定が可能になったのはLeemanらがSPの構造を決定し5),合成に成功し6),ついでその特異抗体を作り,それを用いてRIA法を確立したことに始まる7)。その後Hökfeltら8)はSPの特異抗体を用いて免疫組織化学的に脳内のSP(陽)性線維を観察することに成功した。その後,免疫組織化学とRIAの技術の発展によって,脳内のSPの分布,局在に関する新しい知見が次々と集積しつつある。本稿では主として免疫組織化学的研究法によって得られた最近の知見を整理し概説した。
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