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特集 脳の化学的トポグラフィー
VIP/PHIニューロン
著者: 岡村均1 井端泰彦1
所属機関: 1京都府立医科大学第二解剖学教室
ページ範囲:P.197 - P.200
文献購入ページに移動 Vasoactive intestinal peptide(VIP)はSaidとMuttにより1970年にブタ小腸より単離されたペプチドで,1976年にブタ脳よりも同一構造をもつペプチドが単離抽出され,脳腸管ホルモンとして確立された1,2)。近年,Tatemoto and MuttによりVIPと同じくglucagon-secretin族に属するペプチドで,27アミノ酸残基をもつペプチドが発見され,Peptide histidine isoleucine(PHI)と命名された3)。遺伝子工学的手法により,Itohらは,ヒトPHIであるPHMがprepro VIPに由来することを明らかにし,VIP,PHIが共通前駆体に由来することを証明した(図1)。
VIPが神経伝達物質であることを示唆する所見は①高K+によるVIPの放出増大がCa2+依存性であること,②125I-VIP結合部位がシナプス後膜に存在すること,③VIP投与により大脳皮質ニューロンが興奮することなどである5,6)。一方,共通前駆体から産生されるPHIも神経伝達物質候補の一つであり,脳内シナプトゾーム分画に存在し,高K+により放出される事などが知られている。
VIPが神経伝達物質であることを示唆する所見は①高K+によるVIPの放出増大がCa2+依存性であること,②125I-VIP結合部位がシナプス後膜に存在すること,③VIP投与により大脳皮質ニューロンが興奮することなどである5,6)。一方,共通前駆体から産生されるPHIも神経伝達物質候補の一つであり,脳内シナプトゾーム分画に存在し,高K+により放出される事などが知られている。
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