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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻3号

1986年06月発行

特集 脳の化学的トポグラフィー

LH-RH

著者: 塩谷弥兵衛1

所属機関: 1大阪大学医学部付属高次神経研究施設神経解剖学病理学研究部

ページ範囲:P.215 - P.217

文献概要

 LH-RHは下垂体前葉からのLH/FSHの放出作用を指標として視床下部から抽出された物質で,1971年にSchally1)のグループとGuillemin2)のグループとにより,それぞれブタおよびヒツジの視床下部組織から分離・精製されたが,その化学構造はいずれも同一で,10個のアミノ酸からなるペプタイドであることが判明した。この物質は間もなく合成され,またその特異抗体も作成されて,それを用いてのRIAや脳の免疫組織化学的研究も開始された。後者に関しては,視床下部,ことに正中隆起部におけるLH-RH陽性線維の証明は,どの動物種についても容易であったが,LH-RH陽性細胞の検出は意外に困難であって,1973年にモルモットではじめて証明されたが,動物種による差異が大きく,また同一種でも使用する抗体により陽性細胞の出現が影響されることなどもあって,実験成績の混乱がつづいた3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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