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連載講座 哺乳類の初期発生
受精能獲得
著者: 三宅正史1
所属機関: 1京都大学農学部家畜繁殖学研究室
ページ範囲:P.231 - P.238
文献購入ページに移動 ヒトの体外受精がわが国を含めて盛んに行われるようになり,哺乳動物の受精現象について広い範囲の人々に関心が持たれるようになってきた。また,哺乳動物の受精現象に関する多くの研究が行われ,実験動物以外の家畜やイヌ,ネコ,サルなど多くの哺乳動物において成功例が報告されている1,2)。しかし,基礎的な研究にいたっては,いまだ未知の部分が多く,これからとりあげる受精能獲得(Capacitation)現象についても種々の考え方が提唱されているが,対象実験動物の違いにより異なった現象や結果がみられる。また,多くの哺乳動物では受精能獲得とそれに続いて起こる先体反応(Acrosomereaction)との間に明確な区別をつけにくいことから,受精能獲得についてある程度理論的に論じることができるのは,現在のところゴールデンハムスター,guineapigとマウスに限られているといっても過言ではない。
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