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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻3号

1986年06月発行

文献概要

連載講座 哺乳類の初期発生

受精能獲得

著者: 三宅正史1

所属機関: 1京都大学農学部家畜繁殖学研究室

ページ範囲:P.231 - P.238

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 ヒトの体外受精がわが国を含めて盛んに行われるようになり,哺乳動物の受精現象について広い範囲の人々に関心が持たれるようになってきた。また,哺乳動物の受精現象に関する多くの研究が行われ,実験動物以外の家畜やイヌ,ネコ,サルなど多くの哺乳動物において成功例が報告されている1,2)。しかし,基礎的な研究にいたっては,いまだ未知の部分が多く,これからとりあげる受精能獲得(Capacitation)現象についても種々の考え方が提唱されているが,対象実験動物の違いにより異なった現象や結果がみられる。また,多くの哺乳動物では受精能獲得とそれに続いて起こる先体反応(Acrosomereaction)との間に明確な区別をつけにくいことから,受精能獲得についてある程度理論的に論じることができるのは,現在のところゴールデンハムスター,guineapigとマウスに限られているといっても過言ではない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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