文献詳細
文献概要
特集 細胞生物学実験マニュアル 細胞培養
細胞増殖の評価法
著者: 黒田行昭1
所属機関: 1国立遺伝学研究所形質遺伝研究部門
ページ範囲:P.256 - P.257
文献購入ページに移動 ■ 概要
現在,体外培養の主流を占める株細胞の培養の場合はもちろん,生体から取出した組織や器官の初代培養の場合でも,多くはトリプシンなどの酵素処理によって解離した単一細胞の培養が多く使用されている。このため細胞増殖の定量的評価には,以前器官断片や組織片の培養に用いられていた細胞増殖域の広がりの面積測定や単位時間内の分裂頻度の測定などよりも,細胞単位での数の変化が細胞増殖の評価法としてもっとも適したものと考えられる。その中でももっともよく使用されるのは,細胞数または細胞核数の経日的変化を調べ,増殖曲線を作成する方法と,一定数の細胞をシャーレにまき一定期間培養した後,形成されたコロニー数を算定する方法である。このほかごく短期間の細胞増殖の目安としては,H3-チミジンの取込みによってDNA合成度をみる方法もある。
細胞数または細胞核数の変化を経日的に調べる方法は,Evansら1)やSanfordら2)によって考案された重複培養法(replicate culture method)といわれる方法で,多数の小型培養瓶(ふつう小試験管)に同じ細胞浮遊液から分注した同数の細胞を植え込み,同一条件下で培養して適当な日数をおいて(通常は隔日ごと),数本ずつ培養瓶を取出して,その中の細胞数または細胞核数を血球計算板や電気式細胞数算定器を用いて算定する。最初に植え込んだ細胞が日数の経過とともにどのようにその数を変化したかを知ることができる。
現在,体外培養の主流を占める株細胞の培養の場合はもちろん,生体から取出した組織や器官の初代培養の場合でも,多くはトリプシンなどの酵素処理によって解離した単一細胞の培養が多く使用されている。このため細胞増殖の定量的評価には,以前器官断片や組織片の培養に用いられていた細胞増殖域の広がりの面積測定や単位時間内の分裂頻度の測定などよりも,細胞単位での数の変化が細胞増殖の評価法としてもっとも適したものと考えられる。その中でももっともよく使用されるのは,細胞数または細胞核数の経日的変化を調べ,増殖曲線を作成する方法と,一定数の細胞をシャーレにまき一定期間培養した後,形成されたコロニー数を算定する方法である。このほかごく短期間の細胞増殖の目安としては,H3-チミジンの取込みによってDNA合成度をみる方法もある。
細胞数または細胞核数の変化を経日的に調べる方法は,Evansら1)やSanfordら2)によって考案された重複培養法(replicate culture method)といわれる方法で,多数の小型培養瓶(ふつう小試験管)に同じ細胞浮遊液から分注した同数の細胞を植え込み,同一条件下で培養して適当な日数をおいて(通常は隔日ごと),数本ずつ培養瓶を取出して,その中の細胞数または細胞核数を血球計算板や電気式細胞数算定器を用いて算定する。最初に植え込んだ細胞が日数の経過とともにどのようにその数を変化したかを知ることができる。
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