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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻4号

1986年08月発行

特集 細胞生物学実験マニュアル

細胞培養

温度感受性変異株分離法

著者: 花岡文雄1

所属機関: 1東京大学薬学部生理化学教室

ページ範囲:P.263 - P.265

文献概要

 ■ 概要
 バクテリアやファージの分子生物学的な研究において生化学と遺伝学とが有機的に連動した,いわゆる遺伝生化学的解析が強力な武器となったことは誰しも認めるところであろう。哺乳類細胞の多様性に富んだ生命現象の研究においても,生化学と遺伝学との連動が有効であることは,癌遺伝子の発見による癌研究の画期的な進展などから明らかである。
 細胞の増殖に必須な遺伝子が変異を起こし,完全に欠損した場合,その細胞はもはや増殖できない。そこでこのような変異株は条件致死変異株としてのみ分離可能となる。哺乳類細胞の場合,条件致死変異株としては温度感受性変異株(temperature-sensitive mutant,以下ts変異株と略す),すなわち特定の遺伝子の一部に変異がおき,そのためにその遺伝子の産物であるタンパクのアミノ酸が変わり,高温でコンフォーメーションに異常をきたし正常な機能を果せなくなる,という変異株が一般的である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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