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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻4号

1986年08月発行

文献概要

特集 細胞生物学実験マニュアル 細胞培養

細胞凍結保存法

著者: 堀内龍也1

所属機関: 1群馬大学内分泌研究所薬学研究部

ページ範囲:P.276 - P.277

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 培養細胞は常に雑菌による汚染の危険にさらされているし,長期間培養して,細胞分裂の回数を重ねるに従い,形質変化を起こす可能性も高くなる。とくに,分化機能は容易に変化したり失われたりする。これを防ぐ唯一の方法は,細胞を液体窒素中で凍結保存することであり,これは細胞培養を用いる研究者にとって,日常必須の技術である。一般に,液体窒素中で保存した細胞は,液体窒素が蒸発し尽さない限りほぼ半永久的に凍結前の状態を維持して保存することができると考えられている。したがって,貴重な細胞はぜひとも凍結して保存しておかなければならない。
 動物細胞を凍結保存する技術の進歩は,1949年Polgeらがグリセロール添加により凍結による細胞損傷から守られることを発見したことと,安価な液体窒素の供給が可能になったことによるところが大きい。本稿では細胞の凍結保存の具体的方法と,留意点を解説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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