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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻4号

1986年08月発行

文献概要

特集 細胞生物学実験マニュアル 細胞工学

核移植

著者: 岡田益吉1

所属機関: 1筑波大学生物科学系

ページ範囲:P.305 - P.306

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 Briggs & Kingが両棲類の卵で初めて核移植に成功したのは1952年のことであったが,核移植はこれまで次のような研究に使われてきた。1)分化した細胞の核にも受精卵の核と同じように全発生過程を支えるに十分な遺伝子セットを持っていることを示す1)。2)発生の進行に伴って,核自身の機能が不可逆的変化を受けることを示す2)。3)遺伝的マーカー,あるいは発生に必要な遺伝子の突然変異を持つ核を胚の特定領域に移植することにより細胞系統を明らかにしたり,その発生遺伝子が胚のどの領域で必要かを明らかにする3)。4)遺伝子発現を調節する細胞質因子の働きを明らかにする4)。このほかにもこの技術の応用についてはまだ新しいアイディアの出る余地も十分に残されていると思われる。ここでは昆虫類と哺乳類でこれまで使われた方法について簡単に解説する。両棲類の場合はどちらかの方法を応用することができる(さらに詳しくは参考書1-3参照)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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