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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻4号

1986年08月発行

特集 細胞生物学実験マニュアル

細胞工学

細胞内遺伝子注入法

著者: 笹井平1 角永武夫1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所発癌遺伝子部門

ページ範囲:P.310 - P.312

文献概要

 ■ 概要
 DNAを真核細胞に移入する方法には,①DNA-リン酸カルシウム法,②機械的なマイクロインジェクション法,③プロトプラストやリボソームとの融合法,④電気ショック法などがあり,最近ではこれらの方法の二つを組み合わせる方法も考案されているが,ここではとりわけ簡便で現在広く用いられているリン酸カルシウム法について解説する。
 この方法は最初にGrahamら1)によってウイルスDNAを哺乳類細胞に移入するために考案され,その後細胞高分子DNAを移入できるようWiglerら2)が改良を加えたものである。現在では遺伝子発現の研究,種々の遺伝子のクローニング,癌遺伝子の検索などその応用は多岐にわたる。例として受容細胞NIH 3T3細胞に癌遺伝子を移入する実験操作を紹介するが,他の受容細胞や遺伝子にも適用される方法である。なお,受容細胞の種類や遺伝子のサイズなどにより,至適条件が異なり,また各研究者により様々な工夫が加えられて,細かい点では異なる方法がとられていることに留意されたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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