文献詳細
文献概要
特集 細胞生物学実験マニュアル 細胞工学
紫外線顕微照射法
著者: 佐藤英美1
所属機関: 1名古屋大学理学部附属臨海実験所
ページ範囲:P.313 - P.315
文献購入ページに移動 ■ 概要
波長380nmから220nmあたりまでの近・遠紫外線を,微細表面鏡・細いスリット・ピンホールなどで0.5〜5μm径の光束にまとめ,顕微鏡光学系を通じて細胞の部分照射を行う方法。微小電極やマイクロパイペットの代りに,特定波長領域の紫外線のマイクロビームを探索子(probe)として利用する,顕微解剖技術の一つと考えてよい。蛋白質などの有機物は,化学構造に基づく独自の吸収スペクトルを持つ。その紫外吸光特性を利用して,特定の細胞器官や細胞骨格系を部分的に照射し,撰択的な変化と修復の過程の追跡から,細胞の動態を探ろうとする点が特徴である5,6)。実験の目的によっては紫外線を偏光し,E-vectorの振動面を一定として顕微照射を行う場合がある4)。また紫外線のほかに,レーザー光・軟レントゲン線・電子線・プロトンなどもマイクロビームの線源として利用される2,6)。
波長380nmから220nmあたりまでの近・遠紫外線を,微細表面鏡・細いスリット・ピンホールなどで0.5〜5μm径の光束にまとめ,顕微鏡光学系を通じて細胞の部分照射を行う方法。微小電極やマイクロパイペットの代りに,特定波長領域の紫外線のマイクロビームを探索子(probe)として利用する,顕微解剖技術の一つと考えてよい。蛋白質などの有機物は,化学構造に基づく独自の吸収スペクトルを持つ。その紫外吸光特性を利用して,特定の細胞器官や細胞骨格系を部分的に照射し,撰択的な変化と修復の過程の追跡から,細胞の動態を探ろうとする点が特徴である5,6)。実験の目的によっては紫外線を偏光し,E-vectorの振動面を一定として顕微照射を行う場合がある4)。また紫外線のほかに,レーザー光・軟レントゲン線・電子線・プロトンなどもマイクロビームの線源として利用される2,6)。
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