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特集 細胞生物学実験マニュアル 胚工学・発生工学
キメラマウス作製法
著者: 横山峯介1
所属機関: 1(財)実験動物中央研究所生殖研究室
ページ範囲:P.329 - P.331
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由来の異なる2個以上の受精卵あるいは3個以上の配偶子の結合から発生した,遺伝子型を異とする細胞群から構成される複合個体をキメラという。このようなキメラ動物は,同一個体内に遺伝的に起源の異なる細胞がとなり合った状態で存在しており,この特性を利用することによって,発生ならびに分化の過程における遺伝子発現の機構や細胞間の相互作用などを解析することができる。
キメラ動物の作製法には,卵割期にある2個以上の胚を接着・集合させる集合法1,2)と,着床間近まで発生した胚盤胞期胚の胚腔内に他の細胞を注入する注入法3)とがある。集合法は,必要とする装置が少なくてすみ,実験操作も容易で作製成績も高いという利点がある。もう一方の注入法は,種々の装置と熟練した技術を必要とするが,注入する細胞の種類はとくに限定されず,発生段階の異なる胚細胞やテラトーマ細胞など異種の細胞の組み込みも可能である4)。
由来の異なる2個以上の受精卵あるいは3個以上の配偶子の結合から発生した,遺伝子型を異とする細胞群から構成される複合個体をキメラという。このようなキメラ動物は,同一個体内に遺伝的に起源の異なる細胞がとなり合った状態で存在しており,この特性を利用することによって,発生ならびに分化の過程における遺伝子発現の機構や細胞間の相互作用などを解析することができる。
キメラ動物の作製法には,卵割期にある2個以上の胚を接着・集合させる集合法1,2)と,着床間近まで発生した胚盤胞期胚の胚腔内に他の細胞を注入する注入法3)とがある。集合法は,必要とする装置が少なくてすみ,実験操作も容易で作製成績も高いという利点がある。もう一方の注入法は,種々の装置と熟練した技術を必要とするが,注入する細胞の種類はとくに限定されず,発生段階の異なる胚細胞やテラトーマ細胞など異種の細胞の組み込みも可能である4)。
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