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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻4号

1986年08月発行

文献概要

特集 細胞生物学実験マニュアル 胚工学・発生工学

受精卵への遺伝子注入法

著者: 山村研一1

所属機関: 1熊本大学医学部遺伝医学研究施設細胞遺伝学

ページ範囲:P.332 - P.333

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 ■ 概要
 受精卵に外来遺伝子を導入し,いわゆるトランスジェニックマウスを作成する方法にはいくつかの特徴がある。第一は,導入した遺伝子は正常細胞に組み込まれるということである。第二は,遺伝子を導入した受精卵は,発生分化をとげて一つの個体になるということである。遺伝子は個体を構成するすべての細胞の染色体の同じ位置に組み込まれるので,いつ,どの細胞で発現するのかという遺伝子発現の組織特異性・時期特異性を解析することができる。第三は,導入遺伝子は生殖細胞にも組み込まれているので,次の世代以降にも伝達されるという点である。外来遺伝子を持つトランスジェニックマウスと元の系統のマウスとの遺伝的な差は,導入遺伝子の有無のみで,すなわち,これは一種のコンジェニックマウスであるということができ,モデル動物作製にもきわめて有用な手段となりうる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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