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文献概要
特集 細胞生物学実験マニュアル 細胞運動・細胞骨格分析
軸索輸送研究法
著者: 田代朋子1
所属機関: 1東京大学医学部脳研究施設生化学
ページ範囲:P.339 - P.341
文献購入ページに移動 ■ 概要
神経細胞の軸索突起や神経終末部は高分子合成能を備えておらず,細胞体からの供給によって維持されているため,軸索内輸送と呼ばれる高分子輸送機構が発達している。軸索内輸送は,微小管に沿った膜成分の流れと考えられる速い輸送(1日250〜400mm)と,主として細胞骨格蛋白の流れである遅い輸送(1日数mm)に大別される。
ここでは細胞体部分に放射標識アミノ酸を投与して新生蛋白質を標識し,その移動を解析するin vivo実験法について述べる。標識蛋白質は,ゲル電気泳動で分離し,フルオログラフィーで検出する。この方法は,輸送現象の観察だけでなく,軸索内成分の選択的標識法として利用できるので,たとえば軸索細胞骨格蛋白の研究にも有効な手段となる。放射標識法と併用するか,あるいは単独で,特定の酵素活性や抗原の貯留を観察する結紮法や低温ブロック法については,文献1を参照されたい。
神経細胞の軸索突起や神経終末部は高分子合成能を備えておらず,細胞体からの供給によって維持されているため,軸索内輸送と呼ばれる高分子輸送機構が発達している。軸索内輸送は,微小管に沿った膜成分の流れと考えられる速い輸送(1日250〜400mm)と,主として細胞骨格蛋白の流れである遅い輸送(1日数mm)に大別される。
ここでは細胞体部分に放射標識アミノ酸を投与して新生蛋白質を標識し,その移動を解析するin vivo実験法について述べる。標識蛋白質は,ゲル電気泳動で分離し,フルオログラフィーで検出する。この方法は,輸送現象の観察だけでなく,軸索内成分の選択的標識法として利用できるので,たとえば軸索細胞骨格蛋白の研究にも有効な手段となる。放射標識法と併用するか,あるいは単独で,特定の酵素活性や抗原の貯留を観察する結紮法や低温ブロック法については,文献1を参照されたい。
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