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文献概要
特集 細胞生物学実験マニュアル 細胞運動・細胞骨格分析
分裂装置単離・分析法
著者: 酒井彦一1
所属機関: 1東京大学理学部生物化学教室
ページ範囲:P.342 - P.343
文献購入ページに移動 ■ 概要
すべての真核細胞は,復製した染色体を娘細胞へ二分するために分裂装置を形成する。微小管をその骨格とする分裂装置は,一つの典型的な微小管細胞骨格系としても,また,染色体の運動系としてもすぐれた研究対象の一つであろう。
分裂装置の形成には,一対の微小管形成中心の空間的配置が必要であり,その構造と構成蛋白成分の研究は細胞内の微小管系骨格の形成開始部位や,その活性制御機構の問題と関連して重要である。また,動的平衡状態にあるといわれる分裂装置の微小管骨格の性質は,微小管の細胞内での重合・脱重合系の制御とその仕組の研究対象としても重要で,最近の中心体または動原体とチュブリンとの相互作用に関する研究は,in vitro系と異なった細胞内でのチュブリン重合系に関して,一つの基本的問題を投げかけている。
すべての真核細胞は,復製した染色体を娘細胞へ二分するために分裂装置を形成する。微小管をその骨格とする分裂装置は,一つの典型的な微小管細胞骨格系としても,また,染色体の運動系としてもすぐれた研究対象の一つであろう。
分裂装置の形成には,一対の微小管形成中心の空間的配置が必要であり,その構造と構成蛋白成分の研究は細胞内の微小管系骨格の形成開始部位や,その活性制御機構の問題と関連して重要である。また,動的平衡状態にあるといわれる分裂装置の微小管骨格の性質は,微小管の細胞内での重合・脱重合系の制御とその仕組の研究対象としても重要で,最近の中心体または動原体とチュブリンとの相互作用に関する研究は,in vitro系と異なった細胞内でのチュブリン重合系に関して,一つの基本的問題を投げかけている。
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