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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻4号

1986年08月発行

特集 細胞生物学実験マニュアル

細胞運動・細胞骨格分析

食作用分析法

著者: 永山在明1

所属機関: 1佐賀医科大学微生物学教室

ページ範囲:P.344 - P.345

文献概要

 ■ 概要
 細胞は細胞外の粒子や分子を内部に摂取する。この過程はエンドサイトーシス(endocytosis)とよばれ可溶性分子やフェリチンのような小さな粒子の取り込みを飲作用(pinocytosis),赤血球のような大きな粒子の取り込み,処理を食作用(phagocytosis)とよぶ。食作用が非常に盛んな細胞は食細胞(phagocyte)とよばれ,顆粒球系(granulocyte,多核白血球polymorphonuclear leukocyte)とマクロファージ系細胞(単球monocyte,マクロファージmacrophage)にわけられる。細胞の運動や膜たんぱくの移動に微小管やアクチンフィラメント,中間径フィラメントなど細胞骨格が重要な役割を果していることは知られている。したがって,細胞運動やそれぞれの細胞骨格の機能の解明の上で,食作用の活発な食細胞を用いて解析を行うことは大きな意義がある。食細胞による食作用は,①異物と細胞膜が接触結合し,②偽足様突起が異物を取り囲み,③陥入して細胞内小胞(食胞,phagosome)となり,④食胞はリソソームと融合してファゴリソソーム(phagolysosome)となり,⑤病原体の殺菌(killing),異物の消化(digestion)といういくつかのステップにわけられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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